本当は

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何気ない会話を続けているうちにお好み焼きが出来てきた。 「お待たせ致しましたあ~!」 「わぁ。おいしそう!」 ホカホカと湯気を出した丸いお好み焼きはソースの良い匂いがしてとてもおいしそうだ。 「うまいと思うよ!」 斎藤さんも自信たっぷりのご様子。 「おいしい~!」 生地がふわふわでとろけるようになめらかで、今まで食べたお好み焼きの中で一番かも! 一口食べた時にそう思った。 斎藤さんはカウンターに肘をついて、 「二人はさ~~もう深い中なわけ?」 と、ニヤニヤした顔で言った。 「ぶっ!」 そうが勢い良く吹き出した。 「食事中だぞ。」 そうは怒って言う。 「わっそう汚い~。」 お好み焼きが散乱している。 「きーたーなーいー。」 斎藤さんも負けじと言う。 「ちょっトイレ!」 シャツにソースがついてしまったため、そうはトイレに駆け込む。 私と斎藤さんは顔を見合わせて笑った。
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