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次に目を開けた時、周囲の明るさから朝になっていることに気づく悠里。
(………あれ?
私、昨日……
何してたっけ…?
そうそう、歓迎会で飲み過ぎて……
小泉さんに電車に乗るまで送ってもらって……
電車に乗ってからよく覚えてないけど、ちゃんと帰ってこれたんだ~!
良かった。)
ほっとしたのも束の間、見慣れた天井の左右に見慣れない物体が目に入る。
慌てて辺りを見渡すと、自分の部屋のはずなのに何かが違う部屋だった。
まだ寝ぼけた頭で考える悠里。
自分の部屋のはずなのに、家具が全て違うことに気づく。
(何これ…
新手のイタズラ…?
全部家具が変わってる…
ドッキリ?!)
よくテレビで見るドッキリの企画としてはあってもおかしくない内容だが、芸能人でもない悠里に対してお金も手間もかかるイラズラを仕掛けるメリットなどどこにもないように思えた。
ある考えが頭を過ぎり、一瞬にして血の気が引いて体が冷たくなるのを感じた。
(この部屋は、私の部屋じゃない…?!)
「あれ?気がついた?」
後ろから男の声がして、思わず声を上げる悠里。
「きゃあっ!!」
自分の失態が確信に変わり、自己嫌悪から布団に顔をうずめた。
(あぁーーーーもう自分が嫌だ……帰りたい。やり直したい。昨日をもう一度!)
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