陸の孤島

新手の賽銭泥棒というやつ

「百度参り」という言葉を聞いたことあるだろうか？

　雨の日も、風の日も、毎日欠かさず神社にお参りに行く。
　そしてちょうど百度目のお参りを終えた夜、そこに祀られた神様が夢に出てきて、願い事をひとつ叶えてくれる。
　というなんとも都合のいい言い伝えのことだ。

　俺は神様を信じないし、そういう迷信や言い伝えの類なんて普段は鼻で笑っている。

　そのことを巡ってじいちゃんと喧嘩になり、お供え用のスイカを投げつけられたエピソードを持つ、筋金入りの無神論者だ。
　まさかスイカで走馬灯を見る羽目になるとは思わなかった。