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リモコンが見当たらないのでテレビはつけない。
代わりに、まだグラスに4分の1ほど残っているワインを眺めることにする。
室内を淡い橙色に照らして高級感の演出に一役買っている電燈は、このぼったくりのような赤紫の液体に対しても例外では無かった。
透かし見ることで、これが怪しく人を惹きつける魅力を湛えていることを、私にも幾分かわかるように手助けしてくれた。
「……美味い」
なんだかんだ言っているが、やはり仕事の後の一杯は高級な酒に限る。
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