ブレイクタイム

4/13
前へ
/39ページ
次へ
 リモコンが見当たらないのでテレビはつけない。  代わりに、まだグラスに4分の1ほど残っているワインを眺めることにする。  室内を淡い橙色に照らして高級感の演出に一役買っている電燈は、このぼったくりのような赤紫の液体に対しても例外では無かった。  透かし見ることで、これが怪しく人を惹きつける魅力を湛えていることを、私にも幾分かわかるように手助けしてくれた。 「……美味い」  なんだかんだ言っているが、やはり仕事の後の一杯は高級な酒に限る。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加