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理由の一つはこの部屋の照明があまり明るくないことだと思われる。
そしてもう一つの理由は、彼女の愛人、つまりは雄作さんがリビングに血まみれで横たわっていて、それに目を奪われたからである。
人は本当に驚くと悲鳴すら出ないという。
現にこの女も私が「こんばんわ」と声を掛けるまで息をするのも忘れていたようだ。
「ひっ」というか細い声。
恐る恐る振り向く彼女に、私はにっこり微笑んだ。
壁にグラスを叩きつけると、いい塩梅でグラスが凶器に早変わりする。
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