ブレイクタイム
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私は新しいグラスにワインを注いだ。 明日の昼ごろ、ここを離れようと思う。 懐の札束は妙に重く、宝石のこすれる音も耳障りだった。 私は今一度、現実逃避を謀る。 グラスを頭上に掲げ、先ほどちらりと分かりかけたワインの魅力を分析する。 光に透かされた濃い紅色はやはり美しい。 それは血の色に似ているのだと気づいた。 これからの自分の人生を暗示しているようで、私は笑うしかなかった。
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