7人が本棚に入れています
本棚に追加
三奈の小さな後ろ姿を眺めながら、俺は目を閉じた。
少しだけ、本当に少しだけ寝てしまった感覚に襲われる。
あれ?誰かいる?
朦朧とする意識の中で、女性の手のような、繊細で温かいものが俺の頭を撫でる。
ハッ!と気がつく、時計を見ると時間が5分ほど経過していた。
辺りを見渡しても、誰もいない。
こんな短い時間に、夢でも見たのかな?
「あれ!?体が動く…?」
あれほど酷使した体が、すんなりと動いた。
疲れも無くなっている。
なんの取り柄もない龍樹だが、確かに回復力だけは多少自信があった。
どんなに稽古をしても、体力や力は上がらなかったが、失った体力や気道力を回復する時間は、だんだんと短くなっていたのだ。
それにしたって今回のこの回復力は異常と言えた。
「???」
龍樹は自分の腕を回してみたり、ジャンプしてみたりと、体に異常がないことを確認する。
不思議なこともあるもんだ。
疑問に思ったが、元来あまり考え込む性格では無いので、すぐに思考を止める。
まぁ、いいや。これで思ったより早くゲーセン行けるし♪
まずは、翔貴と源太にメールメール♪
道場から、軽い足取りで自室へと戻っていく。
最初のコメントを投稿しよう!