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「げぇっ!マジかよ!
もっと寝てれば良かった…。」
朝っぱらから稽古かよ~。
父さんの稽古はマジでキツいから嫌なんだよなぁ。
つーか俺なんて、いくら稽古しても強くならないよ…。
父さんや母さんのようにはなれない。
自分でいうと悲しいけど、なんの才能もないし(泣)
神宮家は代々、破魔の力に長けていて、神社にはそういった類い(悪霊、怨霊、魑魅魍魎)の相談者が多数訪れる。
神宮家は《古神道》で平安時代からの【陰陽道】の家系。
悪霊などと闘う際に、武器として神刀と呼ばれる家宝の刀を使ったり、式神を用いて闘うため、剣道や、その他体術の心得が必要なのである。
「まぁ、そう言うな。お前はまだ自分の力に気付いてないだけだ。
神宮家の人間にとって、稽古する。ということは大切なことなんだ。
将来、必ずお前の役にたつ時がくる。」
今度は、新聞ではなく、ちゃんと龍樹の目を見ながら話していた。
でたよ。父さんの決まり文句。
稽古の時はいつもこの台詞言うんだよな。
「分かってるよ!やるよ!
どうせ逃げたってすぐに捕まるだけだし…」
龍樹は唇をほんの少しだけ尖らせると拗ねたように呟いた。
「分かってんじゃねぇか。
なら、はやく飯食うぞ!
さっさと顔洗ってこい。」
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