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さらにゆりは「でも」と続けて
「それより重大な事ができたから、トルネードは中止にするわ」
ゆりはトルネードを中止にすると言いだした。
「なぜ中止にするんだ?」
すると、音無がゆりに質問していた。
ゆりはいきなり、窓から外を見て
「音無君と優喜君達以外は知ってると思うけど……」
ゆりは一つ間をあけて
「遂にこの時が来たわ」
その言葉を聞いてから音無が聞いた。
「何が始まるんだ?」
「天使の猛攻よ」
音無はその言葉を聞いて驚きつつさらに続けた。
「何故なんだ?」
音無が聞くとゆりはゆっくり口を開けた。
「テストが近いからよ」
『えっ?』
2人揃って固まってしまった。俺はゆりに質問する事にした。
「テスト?あの期末あたりにあるテストか?」
俺が言うとゆりの代わりに後ろのソファーに座っている高松が答えた。
「考えてみたら簡単な事です。我々に授業を受けさせる事も大事なことですが、テストでいい点を取らせる事も大事なことです」
高松が話し終わると、ゆりは振り返って白い帽子をかぶると、大山にカーテンを閉めるように指示し、
「けど……このテスト期間逆に天使を陥れるチャンスになるかもしれない」
「何か思いついたらしいなゆりっぺ、聞かせてもらうぜ」
俺の向かいのソファーに座っていた藤巻が相づちをうつと、ゆりは歩きながら答えた。
「天使のテストの邪魔を徹底的に行い赤点を取らせまくる、そして校内最下位に突き落とす」
「それが何になるの?」
「名誉の失墜、生徒会長として彼女は威厳を保って居られるかしら?」
「それで弱くなるのか?」
「少なくとも教師と一般生徒の見る目が変わるわ。それには今まで無かった変化が生じる」
「それはどんな?」
「さぁ?そこまで私には解らない」
そこまで言ってゆりは唐突に天井を眺め始めた。
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