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アプトノスの手綱が強くしなり、カルプリナの停留所を後にした。
ポテトの目的地は、カルプリナの次…ドルチェナと呼ばれる大きな街なのだが…。
「…やっぱ降ろされたか」
今、ポテトはカルプリナの停留所にいる。周りの草が風で揺れる程の気持ちいい風が吹いたが、ポテトの気分は沈みっぱなしだった。
全財産を入れていた財布がなかったのだ。寝てる内にスリか何かにやられ、その事を馬主に話した所、「金がないなら降りな!」と怒鳴られ、今にいたる…。
去り際の、馬主の鋭く睨む目と、同じく降りた何人かの乗客のはにかみが忘れられない…。
振り返る。…カルプリナは町…と聞いていたんだが、目に入るだけを数えて建物は4つ…門も柵程度で門番も見当たらない…。
「話が違う…」
状況は思ったより深刻だ…小さくてもいいのだが集会所があればいいのだが…。
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