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狩猟地区が近いだけあり、移動馬車は迅速に用意された。
俺とコウキさんは馬車に乗ると、間を空けずに車輪が回りだした。
「ポテ子~。ハンター経験は浅いの?」
「あ、はい…まだ採取とか位しかした事ないですね」
「そっか、じゃあアタシが色々サポートしたげるね♪太刀使うんだ!それは…鉄刀?」
ポテトの横に立て掛けてある、鞘に収まる刀を指差す。
「はい。家を出るときに、持ち出しました」
父さんの倉庫から勝手に…とは、あえて言わなかった。
「…コウキさんは双剣ですか?武器の名前がわからないのですが…」
コウキの腰に携えてある二本の剣は、それぞれ赤色と緑色の、モンスターの爪のような形をしていた。
なんとなくだが、赤色の方の剣は、ほのかに熱を帯びている気がした。
「うん!アタシ、これでもハンター経験長いから、この剣でポテ子守ってあげるからね!」
今日…それもつい先ほど出会ったばかりの人なのだが…
自信満々にそういうコウキさんを見ていると、何となくだが安心してしまう。
「――――あっ!!」と、コウキは唐突に声を出した。
「ど、どうしたんですか?」
「……研ぎ石、忘れちっち♪」
まぁ、不安がない訳ではないのだが…。
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