1.ポケモントレーナー

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ここ、カナズミシティポケモンスクールではポケモントレーナーとして旅立つための卒業試験が行なわれていた。このスクールの学長ツツジとのポケモンバトルである。 「ノズパス。『転がる!』よ」 「タッツーかわせ。」 今タッツーを使いツツジと渡り合っている少年の名はタクト。真っ赤なゴーゴーゴーグルとボサボサ頭が特徴的なこの新米トレーナーは焦っていた。 (くそ…みんなはとっくに受かったってのに。) この卒業試験は筆記と実技の二種類があるがほとんどの場合は筆記試験のみで合格になる。そしてカナズミのジムバッジと共にリーグチャンピオンを目指して旅立つ資格が与えられるのだ。現にタクトの同級生のケン、ナオキ、ナギサは筆記試験で合格となりこのバトルを観客席で見ていた。筆記試験に落ちたタクトは勝利が困難な実技を受けさせられているという訳である。 ノズパスは転がりながら向かってきた。タッツーは攻撃が当たる直前に反応し、地面に水を発射して体を浮かせて回避した。 「おいおい!避けてばっかじゃんかよ!勝つ気あんのかー?」 観客席から筆記試験をギリギリで合格したかっぷくのいい少年ケンが野次を飛ばす。本気の野次ではなく奮起を促すためのものであるが、確かにタッツーは避けてばかりいた。
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