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「やるわね。ノズパス『砂嵐』。」
「…指示が遅れた。タッツーもう一度『水鉄砲』。」
今度は水鉄砲がノズパスに直撃した。しかしノズパスには先程よりダメージが無い。
「攻撃が当たったのになぜ?」
「おいタクト。今日の筆記試験にも出てたろ?岩タイプのポケモンは砂嵐の状況ではダメージが少ないんだ。」
観客席から眼鏡を掛けた痩せ形の少年ナオキが得意気に言う。
彼は今日の筆記試験を満点でパスしていた。
「そんな事知るかよ!」
「よそ見してる暇は無いわよ!『岩石封じ』。」
「ち…打ち落とせ。」
タッツーは迫りくる無数の岩をする確実に打ち落としてゆくが途中で水鉄砲が発射不能になり、岩石にタッツーが埋まってしまった。
しかし威力自体は小さいのでタッツーはダメージを追ったものの、瀕死状態を免れることができた。
ケンは思わず叫んだ。
「俺のポケモンを貸す!早く交替しろー!」
「む…無理だよケン。この勝負は1対1なんだから。」
「ナオキ!お前タクトが卒業できなくてもいいっつーのか!?」
「ぼ…僕のせいじゃないもん。」
「なんだと!」
ケンがヒートアップしている。ここにいる4人は同級生でありできればみんなで卒業したかった。
「騒がしいわね…。心配しなくてもこの勝負タッツーの勝ちよ。」
「「え?」」
確信したように言ったナギサの言葉に2人は意外にそうなリアクションをした。
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