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ツツジには目の前でなにが起こったのか分からなかった。
タッツーの足下でノビていたノズパスの周りには磯の香りが充満していた。
ツツジはその臭いで全てを悟った。
「なるほど『塩水』ね…。」
「はあ…はあ…勝った?勝ったぜ!」
「負けたわ。久々に完璧にね。」
「な…何が起きたんだ!?」
「へへ…解説しょうかケン?」
突然のタクトの勝利に訳が分からないケンに,ナオキが得意気に言う。
ナオキはケンの返事を待たずに話し出した。
「あのタッツーが最後に使った技は『塩水』。この技は見た目は水鉄砲と変わらないけど,相手にある程度ダメージがあると塩分が身体にしみていつもより威力が高くなるのさ。」
「ほう…。」
「あの威力なら砂嵐の効果があってもノズパスを倒せる。やるなタクトの奴…。しかもこの技を隠すために最後まで使わないでおくなんて。まあこの程度の戦法、僕でも簡単に…
―てあれ!?ケン,ナギサちゃん?」
ナオキが隣を見ると2人がいない。
「なにしてんだナオキー!早く行くぞぉ!」
ナオキが声のした方を向くとケンとナギサはすでに競技場に降りていた。
「なんだい…せっかく人が解説してやったのに!」
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