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僕は必死でまとまろうとした。
きっと他のみんなも精一杯だったろう。
誰一人として漏れることなく一生懸命だった。
しかし守ろうとした空間が消えて逝った。そして限界を迎えた。
それぞれが別の方向を向き、またある者は無理矢理自分の目の向きを変えようとしていた。
お陰で、両目で見える範囲があまりに狭くなった。大勢でふらふらと歩いた。それでもみんな最後まで優しい顔を続けた。
守りたかったあれは、みんなの人生の中で今後も最大の汚点のように残り続けていくのだろうか。
最後を迎えた日は一ヶ月なのにもう霞んで見える。
潰れる前にやっとみんなが揃い、居酒屋で全ての打ち上げを行ったときも、今までの辛さ故に酔い潰れ回り店を半壊状態までに追い込み、結局は最期の最後まで迷惑をかけ続け、煙たがられた。
愛されるという理想像は遠すぎて見えないというより、同じ世界に存在するのかとさえ思った。
周りから見下される対象として見られていたであろう日々すらぼやけて見える。
僕が今この落書きを出来る限りぼかして書いているように。
夢の中のような心地でいたが、奥歯で思わず自分の舌を噛んでしまった。
とても痛いけど、目を覚ます気にはならなかった。
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