先輩は絶対

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毎日1回は怒られていた。 何てことはない。 全くの素人だったからこそ、ベテランの方たちからは煙たがられていた。 ぼくの同期入社は女性が3人いた。2人は当時20才の専門学校出、もう1人は30才過ぎのおばちゃんだ。 20才の女の子たちは、ぼくよりも仕事が出来なかった。 2人のうち1人は次の年にクビになった。 先輩の言うことは絶対だった。まして、介護の世界に飛び込んだばかりのぼくにとっては絶対神だった。 覚えることはたくさんある。 まずは利用者の特徴と名前だ。正直、寝たきりのじいとばあの顔を覚えるのは大変だった。 油断している時に限り、男の先輩から名前当てのテストが行われた。 意外と物覚えは良かったのか、なんとか合格。 この時、2週間。 まだ仕事をしている感じはなかった。
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