先輩は絶対

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食事介助をしていたぼくは、利用者の急変にパニックになった。 すぐに近くの主任に報告。 タッピングや口の中の食べ物をかきだした。 同時に吸引も行った。 事なきをえた。無事だった。 少ししてから主任に呼びだされた。 怒られると思っていた。その時のぼくの感情は、面倒くさい。それだけだった。 その時に何を言われたかは覚えていない。ただ、その時から介護をする側の怖さを知った。 当たり前だが、飲み込みの確認をしっかりしてから次の一口を・・・、当時のぼくはそれすらも出来ていなかった。 元々、勉強が嫌いだったぼくは、現場で覚えていけばなんとかなる。そう思っていた。 これを機に介護の勉強をした。講義や研修に行った。 いろんな事をあまりにも知らなすぎたから。 今までだって知ることが出来たのに、なぜそれを当時のぼくはしなかったのか。 簡単だ、この仕事は誰でも出来る。勉強なんかしなくてもオムツを替えれば・・・、上手に話しができれば・・・、入浴の介助が・・・。ロボットのように動ければ大丈夫。誰でも出来る仕事なんだから・・・と。 そう思っていたから。
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