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「ねぇ、じん」
「ん?」
顔を洗い終えたのか、寝室にひょっこりと顔を覗かせた和也
「…バーカ☆」
「なっ!?」
「だぁってぇー、たっちゃんがじんにコレいったらよろこぶっていったんだもん」
俺の拳を食らって涙目になりながら頭を押さえている和也が訴えてくる
「上田の言ったこと真に受けんじゃねぇ」
上田のヤロー、和也に変なこと吹き込みやがって
「はい、さっさと着替える!!」
「ぶぅ~」
膨れっ面のまま俺から制服を受け取って着替え始めた
その顔を眺めていて思い出されるかつての恋人の顔
切れ長の目と
可愛らしいアヒル口
幼いながらも、あの時の面影がしっかりと残っている
「和也…、なんだよなー…」
かつての恋人が、今我が子として目の前に居る
なんとも言い表せない不思議な感覚
「じーん?」
「あ…、」
名前を呼ばれてはっと我に返る
「きがえおわったよ」
「あー、…よし。じゃあ、朝飯食うぞ」
「はーい」
制服に身を包んだ和也はぴょんとベッドから飛び降りリビングへと走って行った
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