平凡な日々

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「ほーう、なるほどね。んー、なるほど、なるほど。いやー、なるほどね」  時間は昼休み。  校庭でサッカーをやっている人達にも疲労の影が見えてきた頃。  何処から取り出したか知らないけど、赤いりんごを丸ごとかじりついている隆太は、先程からそれしか言わない。  しかし、その目はボクと白河さんを交互に見ながら徐々にその口角を上げていく。  そして、口元が完全に笑顔になった時、一度フフンと得意げに鼻を鳴らすと、結論を出した。 「いやー、まさか晃司が白河サンのことを好きとわなあ。お兄さん、びっくりだぜい。」 「だ、だから、違うって! 相談する時点で好きとかじゃないって言ったじゃないか」  あー、はいはい。  と、軽く流された。 「それで、女の子に話し掛けれない晃司クンは、どうにかして白河サンと仲良しになりたい、と」  恥ずかしいけど、首を1度縦に振り、肯定する。 「それで、話し掛けるために相手のことを詳しく知りたい、と」  ここで、フフンと鼻を鳴らし、 「ここは、この情報通! のりゅうさん! に任せんしゃーい!」  得意げな笑みで、エクスクラメーションマークをふんだんに使い、そう言い放った。  
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