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「まずは、白河サンの性格だな」
時間は、昼休み。
もう9月だというのに、煩いくらいにセミの声が響く、教室。
リンゴを食べ切った隆太は、まるで推理漫画の主人公のように、親指と人差し指をピンと伸ばした右手を顎におくと、決め顔でそう言った。
そして、おもむろに右手を動かし、そのままの形で、ボクを指差す位置まで持っていくと、何故か自信満々にこう言った。
「彼女は――、クーデレだ!」
ここで、真夜だったら的確なツッコミを入れれたんだろうけど、真夜はここにいないし、ボクにそんな真似はできないので、「な、なんで……?」と、情けなく理由を聞くしかなかった。
「フフン、まあ、君みたいな洞察力のない奴だと、ただの無口キャラにしか見えないだろう。だが、俺の眼ははっきりと彼女がクーデレだと認識している!」
そ、そうなのか。
ボクに洞察力はないから、何とも言えないけど、こんなに自信満々なのだから恐らく有っているのだろう。
でも――
「それは、わかったけど、彼女の具体的な性格は?」
「無口」
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