8人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
いつの間にか強く握っていた白色のシャーペンを筆箱にしまい、写し終えたノートを閉じ、一息をつく。
周りは、もうお弁当を食べはじめているようだ。
ほとんどの人が、机をくっつけたりして、その色彩豊かなお弁当や、コンビニで買った昼飯を友達と楽しそうに話ながら食べている。
もちろん、それはボクも例外ではなく、いつも通り後ろの席の真夜と席をくっつける。
本当は、ここにさらに2人入るのだけど、どうやら学食に行ったらしい。
朝に、弁当を忘れたと嘆いていたのを聞いたから、おそらく当たりだろう。
だから、今日は2人で向かい合いながら、ボクは弁当、真夜は、コンビニで買った昼ご飯を、それぞれ鞄の中から取り出し、机の上に広げる。
「お、今日も自作弁当か。
その馬鹿でかい図体に似合わず料理上手いよなあ」
今度、教えてくれといいながら、身を乗り出して、ボクのお弁当の中身を専門家のように吟味すると、卵焼きをなんの躊躇いもなく掴み取り、そのまま口に運ぶ。
これもまた、いつも通りのことなので特に気にすることもなく、ボクも自分の箸を卵焼きへと伸ばす。
ただ1つ違うことは、今日の卵焼きはボクの自信作ということだ。
最初のコメントを投稿しよう!