平凡な日々

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「料理にボクの体型は関係ないよ」  と、今更ながらのツッコミをいれたのは、自信作の卵焼きを十分に味わい飲み込んだ後だった。  それと、ボクでよかったらいつでも、とも。  人に上手く教えられるか少しばかり不安だけど。  真夜は、一言お礼をいうと、コンビニのお弁当を食べながら廊下側に眼を向ける。  ちょうど、窓際の後ろから1つ目と2つ目のボクらとは、対称――といっても、窓際の座席数は4席、廊下側は5席なので完全にではないけど――の位置にある席には、クラスの半分はいるんじゃないかと思うほどの人だかりができていた。 「転校生も大変だな」  呆れたように眼を細め、苦笑しながら、真夜が呟いた。  ボクも同感だ。  あれじゃ、お弁当を食べたり、休んだりすることもできないじゃないか。  もう少し気を遣ってあげてもいいのに……。 「午前中は、隆太の質問攻めだしね」  と、ボクは続けた。  そう、ボクの予想上では、現在学食にいるだろう隆太に、転校生である彼女は、午前中の休み時間、だけでなく、授業中にまで隆太の怒涛のような質問を浴びつづけていたのだ。  まったくもって迷惑な話だ。  そんな会話をしながら、転校生に同情しながら、ボクたちは、その日の昼食を終えた。  
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