はす向かいの恋愛パラノイア

＊1＊ 不幸の星の下

「くそっ、ついてねぇな」

自販機に120円を貯金してしまった。

……ついてない。

本当に、俺は不幸の星の下に生まれたんじゃないかと思う。

手のかじかむ12月。

温かいコーヒーでも買って、暖まろうとした俺に付きまとう不幸。

今日は朝から良くないことが続いたんだ。

トイレに入れば紙が無い。

定期が仕事を放棄して、電車に乗り遅れる。

学校に行けば、数学のとびっきり難しい問題を当てられる。

そして、学校が終わって帰る途中、駅のホームの自販機でこれだ。