第一幕:湊の春は今日も空回り

11/31

813人が本棚に入れています
本棚に追加
/319ページ
タンスを一人で持ってる(すげぇ!!)秀一(シュウイチ)に言われて不満そうな祐介。 祐介の味方は誰一人居なかった。 「……湊ちゃん、聞こえてるよ」 声のトーンが下がった祐介が言う(地味にショック受けてるな) 俺の存在に遅く気付いた犬戒さんは言った。 「あ、湊良いところに…ちょっとこれ持って」 「あ……無理、俺姫だから」 「意味分かりませんよ!!」 まだなんか言ってる犬戒さんに秀一の刀がぶっ飛んできたのはこの場にいる人物しか知らない。 俺は巻き込まれる前に二階に上がる。 その階段で… 「あ、祐」 なんかサボってる(人の事言えない)祐が慌てたように玄関に向かう。 「おい祐、お前サボるのか?」 「…ジジイには許可取ってるからサボりじゃない!!」 「何処行くんだ?…まさか新一年生に可愛い子が居ないか見る為だな!!」 「テメーと一緒にすんじゃねぇ!!」 今日はいつもより分厚いカバンで殴られた。 酷いじゃないか!! じゃあ祐はなんで早めに学校に行くんだ? 人差し指を口に含み、おねだりポーズをすると祐はビクッとした。 「なっ、なんだ?」 「なんで早くに学校に行くの?」 俺的にはギャグ狙いで甘えた声で祐に言うと祐の顔が真っ赤になった。 ……なんで俺の守護者達ってこーゆうポーズが好きなんだろうか(少し引き気味) 「じ、実家に帰るんだよ!!」 やっと話した祐は照れ隠しか大声を出した。 まぁ、この家の連中は祐が大声を出した所でどうでも良いらしい(俺が大声出すと駆け付けるくせにな) 「実家って確か今、祐の母さんが住んでるんだろ?」 「あ…あぁ(梓の事は絶対にコイツには言わない!)」
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

813人が本棚に入れています
本棚に追加