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凪さんの回答に満足したのか加瀬さんが頷いた。
「そう、つまり今の姫鏡には姫と守護者の強大な力が秘められている、敵側からしてはそれはどうしてもほしいモノだろうね」
「敵に姫鏡が渡ったらどうなるんだ?」
「敵に強大な力が移り……もはや俺達に勝ち目はなくなり、世界が崩壊するのを黙って見るしかないね」
それは一大事だ。
敵の正体も分からないのに……
加瀬さんは本邸が敵の正体を探ってるって言ってたけど…
それまで奪われずに守りきれるのか?
……いや、敵の正体が分かっても勝てるのか?
そして俺の不安を察した俺の守護者達も複雑な顔をしていた。
この場にいない守護者達には何も告げず、1日が過ぎた。
……敵が俺達に迫り来るのを感じながら…
―?side―
闇、それは我らにとって心地よい空間…
しかし、今日は失態をした奴らに処罰を下さなければな。
「……姫鏡を取ってこいと言ったのに、姫鏡の情報さえ手に入れられなかったのか?」
「……はい」
「だけど、これで姫鏡はガキの方にある事が分かったんだ!」
反省してないキアは俺に向かって大声を出した。
睨んでやるとキアでさえビクッとした。
縮こまるキアの前にジョレスがやってきた。
「今度こそ姫鏡を持って参ります」
「…宛はあるのか?」
「……雪村蒼のガキが今の姫だ、ソイツを締め上げて姫鏡のありかを吐かせれば…」
下を向きながらキアが続けて言う。
「…ふぅん、確かに現姫なら姫鏡を持ってそうだな…」
ジョレスは冷静だが、キアがかなりやる気だ。
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