第一幕:湊の春は今日も空回り

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雪さん……口調がキツいよ…(よほど俺のジョークが嫌いらしい) 「ニンニクとか朝日なんて今の吸血鬼に効くワケないじゃない……昼間でも堂々と外を出歩いてるわ、基本人間と変わらない容姿ですもの」 「……そっか」 「湊様、貴方は一人で行動をしないように……一人でも良いから守護者と一緒に居なさい」 「…分かった、じゃあ雪さん達は吸血鬼をよろしくな!」 「言われなくても」 何だか押し付けたっぽいが俺は人間以外と戦うのは嫌だし、やってくれるって言うんだし、雪さん達に任せた。 そして俺から祐達に話した。 ―?side― 俺は……アイツが嫌いだった。 ……俺のモノを全て奪ったアイツが… 長男ってだけで……守護者の候補者ってだけで、両親はアイツに愛を注いだ。 ……俺は、此処に存在してる…? 俺の方が強いのに…… 俺の方が姫を守れるのに…… なんで誰も分かってくれない? ……なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんで… …証明したかっただけだった 俺の方が強いんだと…… だけど… 「……動かなくなっちゃった」 自分が何をしたのか理解出来ずにボーッと手のひらを見る。 手のひらには真っ赤になった自分の手があった。 ……あぁ、最初っからこうすれば良かったんだ…… アイツは俺の全てを奪った。 ……だから俺もアイツの全てを奪えば良いんだ… ………そう、アイツが守る姫を俺が壊せば… 「ふっ、ふふふふ……」 そして俺は狂ったように笑った、氷のような冷たい瞳をしながら……
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