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雪さん……口調がキツいよ…(よほど俺のジョークが嫌いらしい)
「ニンニクとか朝日なんて今の吸血鬼に効くワケないじゃない……昼間でも堂々と外を出歩いてるわ、基本人間と変わらない容姿ですもの」
「……そっか」
「湊様、貴方は一人で行動をしないように……一人でも良いから守護者と一緒に居なさい」
「…分かった、じゃあ雪さん達は吸血鬼をよろしくな!」
「言われなくても」
何だか押し付けたっぽいが俺は人間以外と戦うのは嫌だし、やってくれるって言うんだし、雪さん達に任せた。
そして俺から祐達に話した。
―?side―
俺は……アイツが嫌いだった。
……俺のモノを全て奪ったアイツが…
長男ってだけで……守護者の候補者ってだけで、両親はアイツに愛を注いだ。
……俺は、此処に存在してる…?
俺の方が強いのに……
俺の方が姫を守れるのに……
なんで誰も分かってくれない?
……なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんで…
…証明したかっただけだった
俺の方が強いんだと……
だけど…
「……動かなくなっちゃった」
自分が何をしたのか理解出来ずにボーッと手のひらを見る。
手のひらには真っ赤になった自分の手があった。
……あぁ、最初っからこうすれば良かったんだ……
アイツは俺の全てを奪った。
……だから俺もアイツの全てを奪えば良いんだ…
………そう、アイツが守る姫を俺が壊せば…
「ふっ、ふふふふ……」
そして俺は狂ったように笑った、氷のような冷たい瞳をしながら……
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