第二幕:青山兄弟の正体

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しかし、生徒達は湊の変わりっぷりに驚いていた。 「雪村って…」 「女装すると美少女になるのね…」 「いっそ女になれば…」 「女の子は好きだけど女にはなりたくない!!」 委員長が「これなら勝てる」と何やら燃えている。 秀一に助けを求めようとするが、獣の目になったので距離を取った。 他の守護者達は俺の女装を直視できないと目を逸らしてる(失礼な奴だな) 演劇では木しかやった事のない俺が、ヒロインなんか出来るワケねー!!!! ―☆― 「……湊、もっと口開けて…」 「あー…」 「クスッ、声はいらないよ……そう、そのまま目を閉じて」 「…ん………んぅっ!?」 「……ん」 「んぐっ……んんんんっ!!!!!!……ぷはっ、ぜぇーはぁー」 「湊、途中で唇離しちゃダメだよ」 「…はぁー、はぁー……秀一…この練習は必要ないよな!?」 ヒロイン役が俺で決定してから本格的にクラスで練習が始まった。 俺は王子役の秀一と別室で練習中。 しかし、秀一は何故かキスの練習ばっかりなんだが…… 俺は秀一にキスシーンがある台本のページを見せた。 「秀一!!此処には『キスシーン(フリ)』って書いてあるんだから本当にしなくて良いの!」 「いや、そこはリアルにするべき」 「リアリティーなんて誰も求めてねーよ!!全校生徒の前でキスなんてしたら女子が…女子がぁ」 「……湊、何があったの?」 忙しそうに暴れる俺を心配する秀一。 こんなんで上手くいくのか? 「…僕は姫を愛しています、永遠に」 「………秀一、最初っから最後の台詞言ったら後が続かないよぅ」 「……台詞がなくても俺と湊の愛は永遠に続くよ」 「…変なの」 そしてしばらくお互い見つめ合い微笑んでいた。 ……何だろう、とても楽しい筈なのに……嫌な予感がする。 ……こういう場合よく当たるからなぁー。
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