第二幕:青山兄弟の正体

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彼の言葉に少女もフッと笑った。 「……まさか、殺す事が出来なくても足止めなら以前にやりましたので、出来ます」 きっぱりと少女が言ったのを聞き、彼は手を軽く上げた。 少女はそれを合図にお辞儀して、部屋を出てった。 窓の外で舞う夜桜を見ながら彼……秀明は歪んだ笑みを見せた。 「……ただ殺すだけじゃ、つまらない……だからお前の大切なモノを壊してやるよ、兄さん」 秀明は同じ髪の色をしている遠くに居る兄に向かって呟いた。 ―秀一side― ―僕が、僕が悪いの?― ―どうして、こんな…― ―ねぇ、何とか言ってよ…秀っ!!!!!― 「秀一っ!!」 「………え」 朝日の日差しが眩しい。 そしてベッドで寝る俺の上で馬乗りで顔を覗き込んでくる湊。 ……顔が近かったからキスしたら、顔を真っ赤にしながら湊はベッドから転げ落ちた。 「なっ、なななっ!!!!!」 「おはよう湊、今日はとびきり良い日になりそうだよ」 「何朝からしてんだよーーーーーー!!!!!!!!」 湊の可愛らしい声は部屋に響いた。 しかし、時間が時間だからまだ皆寝てる。 いつもしてるのに、まだ湊は慣れないみたい(そこが可愛いけど) 携帯の時刻を見て、湊を見る。 「湊、いつも学校に行く時間より2時間早いみたいだけど…」 「ほら、今日桜祭だろ?出るからには優勝狙いたいじゃん?(商品が何かは知らないけど…)だから秀一と早く行って最後の練習しようとしたけど……体調良くないなら、無理しない方が良いよな」 ションボリしてる…(幻想の猫耳が可愛い(笑) だけど、いつもどおり体調は普通だけどどうして湊…… 「湊、俺は大丈夫だよ」 「だけど秀一、お前…凄いうなされてたぞ?顔色も悪かったし…」 うなされてた? ……何の夢を見たのか忘れた。 …別に忘れるくらいだし、大した事ないんだな(多分) 「湊の気のせいだよ」 「だけど、凄い汗だぞ?」 「……あぁ、じゃあ朝風呂に入ろうかな、湊も…」 俺が言う前に湊の姿がなかった。 また逃げられてしまった。 俺はクスクス笑い汗で濡れた服を脱いだ。
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