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彼の言葉に少女もフッと笑った。
「……まさか、殺す事が出来なくても足止めなら以前にやりましたので、出来ます」
きっぱりと少女が言ったのを聞き、彼は手を軽く上げた。
少女はそれを合図にお辞儀して、部屋を出てった。
窓の外で舞う夜桜を見ながら彼……秀明は歪んだ笑みを見せた。
「……ただ殺すだけじゃ、つまらない……だからお前の大切なモノを壊してやるよ、兄さん」
秀明は同じ髪の色をしている遠くに居る兄に向かって呟いた。
―秀一side―
―僕が、僕が悪いの?―
―どうして、こんな…―
―ねぇ、何とか言ってよ…秀っ!!!!!―
「秀一っ!!」
「………え」
朝日の日差しが眩しい。
そしてベッドで寝る俺の上で馬乗りで顔を覗き込んでくる湊。
……顔が近かったからキスしたら、顔を真っ赤にしながら湊はベッドから転げ落ちた。
「なっ、なななっ!!!!!」
「おはよう湊、今日はとびきり良い日になりそうだよ」
「何朝からしてんだよーーーーーー!!!!!!!!」
湊の可愛らしい声は部屋に響いた。
しかし、時間が時間だからまだ皆寝てる。
いつもしてるのに、まだ湊は慣れないみたい(そこが可愛いけど)
携帯の時刻を見て、湊を見る。
「湊、いつも学校に行く時間より2時間早いみたいだけど…」
「ほら、今日桜祭だろ?出るからには優勝狙いたいじゃん?(商品が何かは知らないけど…)だから秀一と早く行って最後の練習しようとしたけど……体調良くないなら、無理しない方が良いよな」
ションボリしてる…(幻想の猫耳が可愛い(笑)
だけど、いつもどおり体調は普通だけどどうして湊……
「湊、俺は大丈夫だよ」
「だけど秀一、お前…凄いうなされてたぞ?顔色も悪かったし…」
うなされてた?
……何の夢を見たのか忘れた。
…別に忘れるくらいだし、大した事ないんだな(多分)
「湊の気のせいだよ」
「だけど、凄い汗だぞ?」
「……あぁ、じゃあ朝風呂に入ろうかな、湊も…」
俺が言う前に湊の姿がなかった。
また逃げられてしまった。
俺はクスクス笑い汗で濡れた服を脱いだ。
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