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「秀一さん、皆様が見てる前で何をしようとしてるんですか(棒読み)」
「…んー、こういう事?」
「ぎゃー!!抱き付くな、変なトコ触るな!!」
「コラ雪村っ!!早く着替えなさいよ!!!!秀一様も着替えて下さい☆」
おいおい委員長さんよぅー、随分秀一と態度が違うんだなコラ。
俺は頬をブスーッと膨らませながら更衣室に入った。
女物を着るのは神々の儀式以来か(あの時は本当に悪夢だった)
メイクは女子に任せて数十分で出来上がった。
「ほー……(同じクラスの男子一同の声)」
おい、いつもはバカにしてるくせになんで頬を赤らめてボケーッと俺を見つめる?
ウィッグがずれたか?
そんな事を考えてると、誰かに肩を抱かれて(言わずとも分かるだろうよ、フッ)少しよろけた。
「秀一、終わったなら声掛けろよ」
「………あぁ」
ヤバい、秀一声がかなり低い。
こういう場合は必ず怒ってるからなぁ~~(だってクラスの男子達に威嚇<イカク>してる(泣)
そして俺は秀一の衣装に気付いた。
こっ、これは……
「秀一すっげー、本物の王子みたい…」
「……湊も可愛いよ」
「………嬉しくなーい」
秀一がいつもの感じに戻ってホッとして、俺達は台本を一通り見て公演が始まった。
物語の内容は「昔々ある所にシンデレラという美しい少女が居た。
そしてシンデレラには2人の婚約者が居た(この時点で可笑しい)
しかしシンデレラはお城に住む王子様が好きだった。
そんなある日王子様が舞踏会にシンデレラを招待した。
実は王子様もシンデレラに一目惚れしていたのです。
それに2人の婚約者達は怒り、王子様に決闘を申し込みました」
湊のツッコミ「ってか魔女とか居ねーのかい!!硝子の靴はっ!?」
さてさていろいろとモヤモヤスッキリした所で始まりです。
―☆―
吾郎「シンデレラをお前なんかに渡すか!!」
真弘「シンデレラは俺のもんだ」
吾郎(ちょっ天野くん!?"俺達"でしょ<コソコソ>)
真弘(湊は、俺の)
吾郎(いや雪村くんじゃなくてシンデレラでしょ?ってか、どさくさに紛れて所有物宣言しないで下さい)
秀一「……おい、何ブツブツ言ってんだよ」
何やら不良のような王子様が婚約者であろう二人を蹴散らした(それはもう思いっきり)
それに観客席の女子達が騒いでいた。
「王子様っ!!」
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