第二幕:青山兄弟の正体

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「みなっ……シンデレラ」 おい、今湊って言おうとしなかったか?(そしてシンデレラを呼ぶ時テンションが下がったぞ) 俺達は抱きあった。 それに女子達の強烈な罵倒と男子達の「あの子誰?」との声が混ざってワケが分からなくなった。 抱きあって至近距離で秀一が言った。 「湊、練習の成果を見せる時だよ」 「…ちょっ、耳は嫌だって……え?練習の成果?」 俺がワケが分からない顔をすると秀一の顔が近付いて近付いて…………………… 秀一の顔面を手で押さえました(やられっぱなしの俺じゃないぜ☆) 秀一はムスッとしていたが時間が時間なのでキスを公(オオヤケ)にせずに舞台が終わった(ホッ) しかし、俺の正体は幸い同じクラスの奴以外知らないからトラブルはないだろ(いつも通りの苛めはあるだろうが…) 祐の劇も盛り上がってるみたいだ。 そして二回目の公演の準備をした。 ―梓side― 三年生の公演が終わり、また二年生エリアの演劇まで戻ってきた。 湊先輩の所はまだ混んでて、先に見終わった一年生達が「秀一先輩カッコイイ」だとか「ヒロインの子めちゃ好み」とか言っていた。 ……そういえば湊先輩って何の役なんだっけ…(昨日聞いてなかった) まぁいっか、お兄ちゃんの所に行こっと… お兄ちゃんの所の演劇は創作物語らしく、あらすじは「昔々ある所にお姫様と王子様が住んでいました。 二人は幸せでした。 しかしある日お姫様が何者かにさらわれてしまいました。 お姫様を愛している村人の仕業でした。 お姫様は村人に殺されてしまいました。 助けに来た王子様はお姫様の姿を見て共に心中してしまいました」という悲しい悲恋話。 「しっかし…梓のお兄さんって」 「……うん」 「棒読みすぎない?」 なんか、泣ける気がしない。 まぁ、観客の半分以上がお兄ちゃん目当てだし、別にいっか。
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