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「……祐、おこっちょる?(笑)」
「………当たり前だろ、なんで女装して此処に居るんだよ」
「それは郁に頼まれて…」
「なんで仲が良いんだよ…」
「それはいろいろと…」
「佐久間様ぁー、そろそろラストなので準備して下さい!!」
女子生徒の声で俺は舌打ちして湊から離れた。
湊は俺の肩をポンポンと叩いた。
「大丈夫だって、祐の練習に付き合ったりしたろ?それにラストだけなんだから!」
「……」
俺は無言だ。
最後のワンシーンはお姫様が刺されて王子様が助けに来るシーンだ。
横たわる湊に駆けつけ、俺が抱えた。
……湊のウィッグ、ドレスが何故か晃と重なる。
なんで……こんな所で…
手が震える。
その振動が湊にも伝わったのか、薄目を開けて心配そうに様子を伺う。
俺は湊を思いっきり抱きしめた。
言わなきゃ……台詞を…
「どうしてこうなってしまった、何故助けられなかったっ!!」
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