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―湊side―
皆が投票の準備をしている。
さすがに違うクラスに居るのはマズイよなぁ~
別にコソコソする必要はないがそろーっと動くと祐が気付いた。
「……何やってんだよ」
「えっ…と、自分のクラスに帰る」
「あっそ」
なんか単純に言われたのが腹立つ。
まぁ、自分のクラスに帰るのは当然なんだけどね。
そして俺は流石にドレスの格好で戻りたくなかったから教室に制服を取りに向かった。
夕方なのに空は暗く、誰かが「夜桜みたい」と言っていた。
校舎には誰も居なくて、先生達も演劇を見に外に居る。
なんか出てきそうなので早足で教室に向かった(走っても誰も怒らない~♪)
教室に着き、窓を覗く。
「うーわー、本当の夜桜みたい」
暗い夜に桜がいっぱい舞ってる。
神秘的な光景だった。
って、見てる場合じゃなかった……俺は制服を出す。
その時……
誰かの足音がして硬直した。
「おっ、オバケなんて居ないんだ!!そんなのは居ないんだ!!」
「クスッ、何大声だしてんの?」
―祐side―
投票が始まりクラス中がピリピリしてる。
2-AとBが今の所多いな。
ってかいい加減景品はなんなんだ?
そんな事を考えてると女子の黄色い悲鳴がした。
「佐久間ッ!!」
やってきたのは珍しく青山だった。
なんか息切れしてる。
湊を借りた事で文句言うのか?だったら勝負しよーじゃねーか。
しかし青山の用件は違った。
「もう演劇は終わった、湊を返してもらう」
「……はぁ?湊なら演劇が終わったらお前らの所に帰ったぞ」
「湊が帰って来てきたらこんな場所来るか」
……こんな場所って…
それより帰ってないっどういう事だ?だって湊が隣のクラスに帰るって言ってから10分ぐらい経つぞ?
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