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湊と行き違いになった事も考えたが青山が「それはない」と断言した(なんで言い切れるんだ)
……平和になったとはいえ、新たな敵の事を考えて俺達は湊を探す事にした(湊が怪我をしたら大変だから島田兄妹にも言った)
―湊side―
「………誰?」
知らない子が教室にやってきた。
明らかに一年生だから同級生じゃない。
なんか怖い……口調は楽しそうだけど、目が笑ってない。
ちょっと雰囲気は秀一っぽいけど、秀一のほうがよっぽと親しみやすい(当たり前だけど)
少年が一歩前を歩くと俺は後ずさった。
それにまた少年は笑う。
「俺の名前は青山秀明、分からない?」
「………青山って」
秀一と同じ苗字?
じゃあ秀一の弟?
でも秀一からそんな話聞いた事ない。
いや…祐だって妹の存在を隠してたし…
いやいや、秀一が俺に隠し事する筈ない。
俺はごちゃごちゃいろいろと考えてると……いつの間にか少年が目の前にやってきた。
俺は得体が知れない奴がいきなり目の前に来て恐怖で顔が強ばった。
少年は俺のウィッグに触れた。
「……金髪かぁ、あんまり好きじゃないなぁー……地毛じゃないからかなぁー」
そしてウィッグがずるっと取れた。
「やっぱり俺は黒い方が好きだなぁ」
耳元の後ろの髪にキスをされてビクッとした。
それを少年はまた笑った。
今度は嘲笑うように…
「…耳、弱いの?」
「っお前は何の用なんだよ!!」
精一杯言った筈だったのに結果声が震えた。
それをまた少年は笑う。
そして何でもないように話した。
「俺ね、自分の両親を殺したんだ」
「……え」
自分の両親……つまり秀一の……
俺は怒りが一気に沸き上がり少年の襟を掴んだ。
「だって秀一の両親は、暴走で…」
「……暴走?…あぁ、自分の両親の死体見て狂って暴走したアレ?」
思い出して笑うような嫌な笑い方だった。
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