第二幕:青山兄弟の正体

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そして少年は襟を掴んでる俺の手を上から被せるように握った。 それに自慢するように楽しそうに笑う。 「…俺、凄いでしょ……人外の力を持ってるんだよ」 見せつけるように俺の後ろにあった窓ガラスを割った。 硝子の破片が散らばり、身体が少し傷付く。 痛みに耐える俺を見て、楽しそうに観察している少年。 窓ガラスには少年は触れてない。 ……これが人外の力なのか? そして俺の首を掴み地面に叩き落とした。 一瞬呼吸が出来なかった。 「この人外の力で俺は両親を殺したっ!!」 そして握ってた俺の手に爪を立てて血が出てきた。 首元には硝子の破片が宛がわれてた。 ……殺されるとしか、頭の中にはなかった。 「…俺は兄貴に全てを奪われた、生きる価値がないと言われたのと同じだ、だから俺は兄貴が命よりも大事なお前……姫を奪ってやる」 そして俺は少年に荒い、愛の欠片もない口付けを交わされた。 嫌で嫌で……初めてキスが怖いと感じた。 涙も止まらず流し続けた。 そして、俺の着てるドレスを破くように脱がし始めた。 「な、にしてんだよっ!!」 さすがに危機感を感じた俺は少年を止めるように暴れた。 すると少年は悪寒がするほどの歪んだ笑みを見せた。 「……言っただろ?アイツの大事なお前を奪うって、こうでもしないとアイツ、本気にならないだろ?」 「やめ……ッッ!!!!!!」 そして少年は血が滲む程の力で俺の首元に噛みついた。 ―祐side― 誰も居ない筈の一つの教室が微かに光ったように感じた。 そしてその教室からパラパラと何かが降ってきた。 「硝子?」 嫌な予感がして俺は校舎の中に入ろうとしたら、誰かが前に立ちはだかった。 それはいつかのゴスロリ少女だった。 「……お久しぶりですね」 「お前…湊の…」 コイツが絡んでるって事は、やっぱり湊が危険だと察した。
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