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そして少年は襟を掴んでる俺の手を上から被せるように握った。
それに自慢するように楽しそうに笑う。
「…俺、凄いでしょ……人外の力を持ってるんだよ」
見せつけるように俺の後ろにあった窓ガラスを割った。
硝子の破片が散らばり、身体が少し傷付く。
痛みに耐える俺を見て、楽しそうに観察している少年。
窓ガラスには少年は触れてない。
……これが人外の力なのか?
そして俺の首を掴み地面に叩き落とした。
一瞬呼吸が出来なかった。
「この人外の力で俺は両親を殺したっ!!」
そして握ってた俺の手に爪を立てて血が出てきた。
首元には硝子の破片が宛がわれてた。
……殺されるとしか、頭の中にはなかった。
「…俺は兄貴に全てを奪われた、生きる価値がないと言われたのと同じだ、だから俺は兄貴が命よりも大事なお前……姫を奪ってやる」
そして俺は少年に荒い、愛の欠片もない口付けを交わされた。
嫌で嫌で……初めてキスが怖いと感じた。
涙も止まらず流し続けた。
そして、俺の着てるドレスを破くように脱がし始めた。
「な、にしてんだよっ!!」
さすがに危機感を感じた俺は少年を止めるように暴れた。
すると少年は悪寒がするほどの歪んだ笑みを見せた。
「……言っただろ?アイツの大事なお前を奪うって、こうでもしないとアイツ、本気にならないだろ?」
「やめ……ッッ!!!!!!」
そして少年は血が滲む程の力で俺の首元に噛みついた。
―祐side―
誰も居ない筈の一つの教室が微かに光ったように感じた。
そしてその教室からパラパラと何かが降ってきた。
「硝子?」
嫌な予感がして俺は校舎の中に入ろうとしたら、誰かが前に立ちはだかった。
それはいつかのゴスロリ少女だった。
「……お久しぶりですね」
「お前…湊の…」
コイツが絡んでるって事は、やっぱり湊が危険だと察した。
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