第二幕:青山兄弟の正体

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「タダで通してなんて言わねーよ」 「察しが良いのね、助かるわ」 そして俺は銃を出した。 ―秀一side― 佐久間と湊の妹と名乗った女が戦ってる。 …って事は校舎に湊が居るって事か。 俺は裏口から校舎に入ることにした。 一つ一つ部屋を調べてたらきりがない。 俺は湊が行きそうな場所を探す事にした。 まずはトイレ……って、学校にかなりあるトイレを一つ一つ見てたら時間が掛かる。 それに腹を壊したワケじゃなければトイレでそんなに時間掛からない。 じゃあ教室か? 一番確率あるし、教室に向かうことにした。 やけに静かで俺が走る音が響く。 そして俺は教室のドアを開けた。 「みなっ……っ!!!!!」 ズルッとドアを開いた手を力なく下ろした。 ……湊は教室に居た。 湊だけが…… 遠くから見たら生きてるのか死んでるのか分からない程に身体中に無数の傷があった。 もう使い物にならない程にボロボロなドレスに虚ろな目。 そして湊に足元につたう白いもの…… 俺は一気に頭に血が上り湊の所に駆け出した。 「湊っ!!」 俺の声に湊はビクッとした。 湊を抱え上げると、戸惑った感じで俺を見る。 ……すると湊は目を見開いた。 「………白」 「え…」 「いやっ、いやだぁぁぁ!!!!」 湊の混乱の声に湊の妖刀が反応して教室が一瞬強い光で覆われた。 湊の瞳には恐怖が映っていた。 ……そう、俺に対しての恐怖。 ズキッ 「湊、俺だよ…湊っ!!」 「いや、いやだ…怖い…触るなっ!!」 湊に腕を払われても負けじと抱きしめる。 ……拒絶されても、俺は… やがて佐久間と島田兄妹がやってきた。 そして俺と湊を見て絶句した。 「……青山、これはいったい…」 「………分からない、俺が来たときには…」 湊が俺の服を掴み暴れるから、ネクタイは乱れ、制服のボタンは外れてボロボロだった。 それでも俺は湊を離さなかった。
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