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そういえば秀明って奴…秀一の事恨んでるみたいだったな。
……それにアイツ、秀一の両親を…
……ぁ………あれ?確か秀一は自分が殺したとか言って……まさか、あの秀明って奴が秀一の記憶を塗り替えたのか?
……でも、人間にそんな事が…
…いや、アイツ自分で人外って言ってたし…
……俺一人で悩んでても解決しねぇよな。
俺は秀一の方に顔を上げると、ふいにキスされた。
「…んっ、んぐっ!!!!??」
「…ん……ッはぁ、湊……俺はどうすれば良いんだ」
秀一がすがるように俺の肩に顔を埋めて助けを求めていた。
俺は秀一の背中をポンポンと叩いた。
「…秀一、無理しなくて良い……まだ、記憶が戻ってないんだろ?」
「………完全に…とは言わないが、その秀明という男に抱いてた感情は何となく…」
「……感情?」
「…尊敬、愛情、悲しみ、怒りがごちゃごちゃになって…」
頭を抱えてよろける秀一を部屋にあった椅子を持ってきて、座らした。
きっと、尊敬や愛情は秀一の両親が死ぬ前…
悲しみや怒りは死ぬ直後なのかもな。
……だけど、秀一は彼に恨みの感情はない。
………本当に大好きだったんだな。
「…秀一、和解は出来ないのか?」
「無理だ」
「即答かよっ!」
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