813人が本棚に入れています
本棚に追加
「……湊にした事は一生許せない、和解は無理だ」
その秀一の瞳は、復讐の二文字が思い浮かんだ。
…実の兄弟の筈、なのに……悲しい。
ションボリした俺に秀一は優しく声を掛けた。
「湊はまだ病み上がりなんだから、部屋に戻って休んだ方が良い……佐久間は俺が追い出すから」
いつもの秀一に戻り、俺はホッとして苦笑いした。
「それじゃあ俺が祐に殺されちゃうよ……調べものがあるから先に部屋に帰っててよ」
「……湊?」
不思議そうな秀一に手を振り俺は部屋を出た。
そして俺は本邸の中をウロウロして、ある人物を探した。
「あ、真矢さーん!!」
「ん?湊か、どうした?」
優しく俺に声を掛ける真矢さん。
……やっぱり真矢さんは凪さんに雰囲気似てるなぁ~(癒し系的な意味で)
そして俺は真矢さんに言った。
「ねぇ真矢さん、此処って姫君の歴史みたいなのってあるの?」
まぁ、100%好奇心だ。
すると真矢さんはニコッと笑った。
「あぁ、地下に資料庫があるよ……勉強熱心は良いことだね、行くかい?」
いやいや勉強熱心ではなく好奇し……まぁ良いや。
俺は元気よく返事して真矢さんの後に着いていった。
やっぱり自分の前世の事とか、姫鏡を狙う奴とか知っておきたいしさ。
そして何だか複雑な文字が書かれてる扉の前まで来た。
金庫みたいに頑丈そうだ。
すると真矢さんは俺に手招きした。
「この扉に触れてごらん」
真矢さんに言われるままに扉に触れると、ぎこちない音と共に扉が開いた。
「あれ?自動ドア?」
「…いや、これは湊の姫の力で開いたんだよ」
もはや姫の力は最強ですね……ハハハッ(なんか複雑)
俺が地下の階段を下りて、真矢さんも下りようとしたが、メイドの人に呼び止められた。
……何やら深刻そうだな。
「真矢さん、俺一人でも行けますよ」
「……だけど危険じゃないか?」
「ただ本を読むだけですよ」
俺に背中を押されて渋々真矢さんはメイドに着いていった。
俺はさらに奥に進んだ。
そして一言…
「……真矢さん、ヘルプミー!!!」
広い……広すぎるだろ!?
例えるなら一般の体育館の3・4倍はある。
分かりづらいか?……まぁとにかく広いって事だ。
最初のコメントを投稿しよう!