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―?side―
これは……夢?
私はまだ夢を見ているの……?
次第に光で視界がクリアになる。
「……あ、あれ?此処は何処?」
気付けば周りは殺風景な瓦礫(ガレキ)のみの地に居た。
私は何やら貴族のようなキラキラ(チャラチャラ?)したような格好をしていた。
そして目の前には騎士のような鎧を着た男の子。
けして外見はカッコイイとは言えないけど、私は彼に恋をした。
夢なのに変な話よね。
その男の子は剣を地面に突き刺し、揺れる身体を支えていた。
私は慌てて男の子の方に向かう。
「だっ……大丈夫!?何処か怪我してるの?」
「……あ、姫様…」
「………え」
それだけ言い男の子は身体が大きく揺れて私の方に倒れた。
支えようとしたが力がなく、私はペタンと地面に座った。
男の子を揺するが返事がない。
「……あ、あれ?……何だか私も、目眩が…」
視界が歪みそのまま私も地面に倒れた。
―☆―
目を開けると目の前に広がるのは見覚えがある天井。
そして横にはベッド。
「……私、ベッドから落ちちゃったんだ」
不思議な事に、いつもは忘れる筈の夢は今回だけはっきりと覚えていた。
夢の中で……現実に居る筈もない男の子。
……まだ胸がドキドキしてる。
「梓!!早く起きなさい!今日入学式でしょ!」
ベッドから落ちた音で起きたと思った一階に居るお母さんが大声を出した。
私は軽く返事をして身支度した。
……今日から私は念願の高校一年生です。
お母さんがお兄ちゃんと同じ高校にしなさいって言うから同じ高校にしたけど……正直嫌だったりします。
私は身支度を終えて一階に向かう。
嫌な理由は二つあります。
……一つ目は
「梓っ!!またダイエットとかで朝食を抜かないのよ!入学式で倒れたら恥ずかしいったら」
「分かった、分かったよ…食べるよ」
お母さんの小言が始まる前にリビングのドアを開けた。
すると……
「おっ、お兄ちゃん!?」
「……あぁ梓か、朝食は食えよ…入学式で倒れて病院沙汰にならないように…」
「なんでお兄ちゃんが……今、この家に住んでない筈じゃ…」
「感謝しなさいよ梓、祐(ユウ)は梓の入学式の為に一時的に帰ってきてくれたのよ」
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