第三幕:黄泉の箱庭

8/26
前へ
/319ページ
次へ
―祐side― 本邸から帰ってきて、俺は青山をスルーして須賀の方に向かった。 青山は俺に簡単に話す程良い性格はしてない。 なら青山の幼馴染みである須賀ならなにか知ってる事があるかもしれない。 些細な事でも構わない。 ……青山秀明という男の事が知りたい。 島田兄妹から聞いてる、湊を襲った犯人の事を…… そしてそいつは湊を…… 無意識で唇を噛みしめた。 唇が鉄の味がした。 そんな深刻そうにしている俺を見て須賀は何事かとキョトンとしていた。 「佐久間どうかしたのか?……まさか湊ちゃんの身になにかあったのか!?」 普通に話してたつもりだったが「湊」という単語が出てきて、その場にいた守護者達は俺達の方へ視線を向けた(青山も) 「いや、違う…とにかく俺の部屋に来い」 「……何だよ急に、いつもは部屋に一歩も入れないくせに………まさか、湊ちゃんを落とせないって分かって俺に乗り換えたとか!?」 「………黙って来い」
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

813人が本棚に入れています
本棚に追加