第三幕:黄泉の箱庭

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急に立ち上がった俺に何事かと思った須賀はオドオドしていたが、構わず須賀の腕を引っ張り廊下に突き出した。 体格差で須賀はしりもちをついた。 「いきなり何すんだよっ!!」 「……もう用は済んだ」 そして俺は須賀を置いて一階に向かった。 ……青山の所へ。 一階には一人で部屋に佇んでる青山が居た。 「……青山、お前に話がある」 「………俺にはない」 その青山の言葉に頭がカッとなり、青山の服の襟を掴み壁に押し付けた。 青山は冷静に俺を見下ろしていた。 さすがに今にも喧嘩になりそうな俺達に今まで無関心だった守護者達はいっせいに俺達に注目した。 ジジイが俺を止めようとするが、こればかりは気持ちを抑えられそうにない。 「お前のっ!お前のせいで湊は……答えろよ青山ぁ、秀明について全部言えっ!!」 「……」 怒りで手元が震え、抑えきれない感情で涙まで溢れてくる。 他の守護者達は俺達を黙って見守っている。
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