第三幕:黄泉の箱庭

19/26
前へ
/319ページ
次へ
俺はとっさに加瀬を突き飛ばし、部屋を駆け足で出た。 なんでタイミング悪く須賀が来んだよ。 ……須賀のせいで聞けなかったが、加瀬って言う奴は何者だ? 湊を守る為だけに来たってのも怪しい。 ……今後は加瀬に気を付けよう。 さて、加瀬と顔合わすのは何だかさっきの屈辱のせいで嫌だし… 「…青山じゃねーが、本邸に行くか」 そして俺は夜だが、松尾をタクシー代わりに電話した。 エサは「青山も行くらしい」と言えばイチコロだ。 ……一応湊にも秀明について教えとかないとな。 ―湊side― 何だか頭が軽いな。 ……いや、身体が軽い? 嫌だぁー!!!魂になったとか言わないでぇぇー!! 俺はジタバタしてみると、支えるもんがなくなったのか地面に落下した。 多少痛いが、魂が身体に戻ったと思い込んでる俺は自分の身体を抱きしめた。 「おかえり俺の身体♪」 「……相変わらずキモいなお前」 「…んだよ、祐みたいな事言う奴だなー………って祐ぅぅぅぅぅぅぅー!!!!!!!????」 「ぅが多すぎるだろボケッ!!」 殴られた……うん、偽物じゃないみたいだ。 …ってか、なんで祐が此処に居るんだ? キョロキョロ周りを見て祐をベタベタ触ってみた。 祐は「湊なら平気なんだけどな」と言っていた、さっぱり分からん。 「しかし、青山の方が早く出かけたのにな……車の力か?」 「秀一も来るの!?」 目をキラキラさせる俺を祐は殴った(なんでぇ!?) 祐は葵ちゃん家の自家用車で来たらしい(勿論運転は葵ちゃん家の使用人) 葵ちゃんは木村と共に本邸に挨拶なんだって… 祐は俺を探しに此処まで来てやっと見つけたらしい。 そして俺は気付き、祐を見た。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

813人が本棚に入れています
本棚に追加