彼は想う

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木々の葉の間、太陽が高く登っていた。 寝過ぎたのだろう。 身体を起こすが、身体が重い。 疲れているのかもしれない。 それか、野宿が身体を冷やしたのか。 いまだ、逃げ続けているのだ。 そして、殺している。 殺さなければ、こちらが失う事になるのだから。 躊躇、しない。 それでも、心を冷やして、砕かないように保つ。 「ユウ、やっと起きたようね。」 「起きた。」 「そんだけ寝て、まだ寝ぼける、普通。」 リンの顔を見る。 半分閉じた目で、ぼぅと見た。 リンの右手が振りかぶられ、振り下ろされる。 衝撃と共に視界が揺れた。 痛い。 更に振り上げられる手の平。 ぶへぼっと息が出た。 宙を投げ出される身体、頭を貫通する衝撃、かなり痛い。 草原をごろごろ転がった。 頭がくらくらしている。 更に振り上げられる手の平。 「待った、起きてる。 俺完全に目ぇ覚ましてるから。」 「そう、じゃあ毎日顔、はたいたげるわよ。」
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