彼は想う

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望んでいた、幸せの形を手に入れた。 それでも、やはりこの幸せは、他の何かを犠牲にやっと成り立つものかもしれない。 既に、父を殺したという結果が付き纏う。 頭から離れない。 これが、人を殺すという事なのだろうか。 攻撃的な、敵意と興奮の臭いがする。 この辺りは、あまり生活水準の高くない。 つまり、治安も良くない。 見ず知らずの、旅行者と思われたとしたら、追いはぎに会うかもしれない。 いや、もしくは、組織の殺し屋が油断させる為に解り易く来たか。 「ユウ、前方から8人、銃火器携行。」 「俺だけが行く。」 この森の先には、すぐそこに貧民街がある。 風に合わせ、草を踏み、背の高い草に紛れる。 こちらの方角へとそろそろと歩く、人影。 小銃か、狙撃ライフルか、ショットガンか、型の古い銃をそれぞれが持っていた。 殺そう。 黒塗りのナイフを、鞘から抜き放った。
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