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「ああ…そう言えば思い出したよ」
※※の地図をこっそり懐にしまいながら、竜尊は※※の手を握ると優しく告げた。
「せっかくだから、俺がそこまで案内してあげようか?」
「え!?え!?あ、あの?いいんですか?」
「もちろん。…実を言うと、君のおかげで俺もこのオバさんの近くにある湖に用事があったことを思い出したんだ。その御礼と言うのもなんだか可笑しいかもしれないが…もし、君が嫌じゃなかったら一緒に行かないか?」
「っ!!嫌だなんて!!そんなことありません!!むしろ凄く助かります!!ありがとうございます!!」
そう言うと、※※は握られた手を握りしめて、ブンブンと嬉しそうに振った。
その過剰な反応に、竜尊は少しビビりつつも、微笑みを浮かべた。
「よかった…さぁ、こっちだよ」
そして、竜尊と※※の二人は、共に異なる目的を胸に、山道に分け入っていったのだった。
(……さて、どう料理してやろうかな?)
(親切な人が居てくれてよかった!これなら夕方までに帰れるかも!)
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