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二人の前に突如現れたのは、猟師見習い少年の魁童で、右肩にはまだ扱いなれていない新品の小銃と、左手には仕留めたばかりなのであろう野兎を持ち、重い荷物を背負っている二人へと近づいてきました。
「なんだ?珍しく森の外れにいる上に変な荷物抱えてんな…一体何してんだ?」
「これは」「ふん!お主には全く関係ないことじゃ!こんなところにおらずサッサと小屋へ帰るのじゃ!」
「ハッ!オレはてめぇに聞いてねぇっての!…で?玖々廼馳何やってるんだ?」
「あのね」「玖々廼馳!!」
魁童に素直に事の経緯を教えようとした玖々廼馳を、久遠は後ろから羽交い締めするようにしがみつくと、ズリズリと魁童に会話が聞こえない程度に距離をとった。
「久遠?」「わかっておらんな玖々廼馳!ここで※※のことを言えば、お節介なあ奴が付いてこぬ訳があるまい!そうなったら今まで※※と顔を会わせんようにとしてきた儂らの苦労が水の泡じゃ!!」
「でも」「※※が心配じゃからなりふり構っておられんのはわかる。しかし、魁童を※※に会わせてしまった場合、あ奴が※※に一目惚れしてしまう可能性と厄介者が増えることを想像してみるのじゃ!!万一そんなことになれば、これまでのように※※と平凡のほほんライフを過ごせぬのだぞ?」
「のほほんライフ…」「そうじゃ!ここは儂らが頑張れば乗り切れる試練じゃ!じゃから…の?」「……うん」
「…お~い?さっきから何2人で喋って無視してんだよ」
「……ごめんなさい…かっちゃん」
「あ?なんだよ玖々…ぐぇ!?」
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