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…そして、彼女は嫁いだ先で、僅か17にして人生の幕を閉じた。
流行り病に掛かったと連絡があったが、事実は違ったという。
それは彼女から渡された手紙を抱いて現れた子供、※※の存在によって明らかになった。
※※は月讀の家に着いた時には体の至る所に怪我を負い、ボロボロと涙を零しながら、必死に握りしめていた一通の手紙を月讀に差し出した。
月讀は突然現れた少女に驚いたが、すぐに彼女の手当てを済ませて食事を用意した。
その間も少女は泣き続けていたが、月讀が背中をさすってあげている内に眠ってしまった。
封筒の宛先は月讀に。しかし、中には自分の手紙以外に無月宛の手紙も1通入っていた。
懐かしい彼女の文字は、すぐにぼやけ始めた視界によってしばらく読むことが出来なかった。
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