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ある日、※※達が家族で朝食をとっている時
、彼女は父の様子がいつもと違い、暗く沈んでいることに気が付きました。
一体どうしたのだろうかと不思議に思った※※が、半ば伏せられている父の顔を覗き見ると、まるで幽鬼のような顔をしておりました。
弟達も※※の視線を追って父親の異常に気付いたようで、不安気に目配せをしてきます。
(※※!月讀は一体どうしたのじゃ!?)
(お姉さん……僕、怖い)
(お、落ち着いて、二人とも。久遠…あなた、昨日何かやらかしたりしてないわよね?)
(失礼な!わしはなんにもしておらんぞ!)
(本当に?)
(はい…僕、昨夜から今朝まで久遠と一緒にいましたけど…特に何も)
※※は身振り手振りを交えて弟達に、父の異常の原因に心当たりが無いか確認しましたが、どうやら弟達にも心当たりがないようです。
そして、彼女達がそうやって父親の幽鬼化の原因追求をしている間も父親の異常は悪化していくばかり。
例えば、父親の手に握られていたはずのパンは、何故か父親の口に入ることはなく、無惨な細切れの状態で食卓に散らばってしまっていたり、コップに入っていたはずのミルクがどういう訳か隣に座っている久遠のパンにかけられていたり。
流石に※※もこのままではヤバイと判断し、今にも泣きだしそうな久遠へ自分のパンをそっとあげると、咳払いを一つして父親に話し掛けました。
「コホ……えっと……お父さん?」
「?…あ、ああ。※※ですか…どうかしましたか?」
「え…あ、あの……どこか具合でも悪いのかなぁと思って…」
「………私がですか?そんなことありませんよ。私はいつも通りです……………おや?私のパンがないようですが……誰か食べましたか?」
「……いいえ、誰も。お父さんのパンはお父さんが細切れにして……その…ほぼパン粉になってます」
「「……………………」」
「……私のミルクは」
「ミルクはお父さんが久遠のパンに全部かけちゃってて…今は私の手元に」
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