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そう言って、※※は牛乳が染みてベチャベチャになってしまっているパンを皿の上で少し持ち上げて見せました。
パンからは牛乳の雫が垂れ落ち、皿に溜まった牛乳の水面にポタポタと落ちていきます。
「「「「……………」」」」
しばらくの間、みんな何も言葉を発せず、黙って雫が落ちるのを見ていました。
「……………すみません……私はどうやら、一人で思い悩むとあなた達に余計な迷惑をかけてしまうようですね」
そう言って、月讀は重々しいため息を一つ吐き出した。
その言葉に久遠は驚いた様子で口を開いた。
「何じゃ、月讀?お主悩み事などあったのか?」
珍しいの~と驚く久遠に玖々廼馳も小さく頷く。
久遠にしてみれば、月讀が大抵のことはそつなく対処出来ている姿を知っているからこそのこの発言だったのだが、その発言を聞いた月讀が、苦笑いを零したのを見て、※※は咄嗟に月讀を弁論した。
「あのね久遠、玖々廼馳。月讀さんだって悩みがある時くらいあるんだから。そんなに驚かなくてもいいんじゃない?」
「しかしじゃ※※!今まで月讀が思い悩んでおったことがあるか?何があってもすぐに解決しとった月讀じゃぞ?…わしはてっきり、昨日※※が料理当番じゃったから、何か得体の知れんキノコとかを月讀の食事に混入させてしまったのではなかろうかと心配しておったのじゃ……一番納得がいく理由だしのう」
「…………」
「いや…むしろ月讀が悩んでおるという方が嘘なのではないか?実は何か得体のしれんものが当たって、月讀自身気づかぬうちに混乱しておるとか…あ、ありえそうじゃ!」
「………………うん。なにから突っ込めばいいかわからないけど……………とりあえず今日の久遠のおやつは抜きね」
「っ?!なんでじゃ!?」
「久遠…口は災いの元だよ…」
「……玖々廼馳の言うとおりですよ、久遠」
「わ、わしはただ月讀がおかしくなりおった原因を考えておっただけじゃぞ!?」
「それが私の料理のせいって既決したことが悪いんでしょう!?」
「じゃが!前に玖々廼馳と一緒に森へ行った時、※※は笑い茸を採っておったではないか!」
「っ!?~~っ、そ!それはたまたまでしょう!それに未遂で済んでるじゃない!?料理だっていつもちゃんと出来てるんだし!」
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