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「お土産は持ったし…赤頭巾も被った。よし!準備万端!」
「いいですか?オバの家に着いたら奴が家に居ても居なくても、とにかくそのお土産を外から素早く家の中に投げ入れて、ダッシュで帰ってくるんですよ?」
「え?でも…それはさすがにおばさんに失礼じゃないですか?」
「そうじゃぞ月讀!この世で唯一の知り合いなんじゃろう?大事にするのじゃ!」
「あいつに優しくする必要なんかありません!とにかく日暮れまでには戻ってきなさい。道は複雑ですが、地図通りに行けば戻れなくはありませんから」
「わ、わかりました」
「お姉さん…気をつけてね」
「うん!ありがとう玖々廼馳!それじゃあ行ってくるね!」
そう言って※※は手を振りながら、月讀の知り合いにあたる隣の山のおばさん家に向かって出掛けて行きました。
※※を見送った後、久遠はふっと疑問が脳裏に過ぎった為、背後にいる月讀を振り返って聞いてみた。
「そう言えば、なんでおばさんは※※に土産を持ってこさせてくれと頼んだんじゃ?わしじゃいかんのか?」
「……色々と諸事情があるんですよ」
「?…諸事情?」
「…別に君達が知る必要はないですよ。…無月の要望は※※と一対一で対面したいということでしたから…まぁ、一瞬でも家に行けば対面したと言えるでしょう」
「?無月とは誰じゃ?」
「誰って……オバですよ?」
「…え?おばさんって…女の人ですよね?」
「男ですよ?」
「「え!?」」
驚いた久遠と玖々廼馳は月讀に掴みかからんばかりに詰め寄った。
「どういうことじゃ!?おばさんと言うたら普通女子のことじゃろう?」
「どうして…?おばさんは男なの?」
「?……ああ…なるほど、そういうことですか…いいですか?おばさんとは“叔母”ではなくて“於場”ですよ。於場無月。れっきとした男です」
「「っ!?」」
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