22人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
プロローグ【序章】
結婚前夜。
ここは朝倉家である
カラン………
グラスの音が居間から響いた。
大人びた感じの二人の女の子が居た。一人はショートカットの女の子もう一人はリボンを付けたストレートヘアの女の子だ。
「いよいよだね、お姉ちゃん。」
「うん、そうだね。」
由夢と音姫だ。
その居間の一角に、白く純白のドレスが飾られていた。
そう、ウエディングドレスだ。
「由夢姉さん?音姉さん?」
ふと愛理が居間に来た。
「あ、愛理ちゃん、おいで。」
と由夢は満面の笑みで愛理を呼んだ。
「一緒に、飲もうよ」
と音姫。
しかし愛理はお酒が超がつくほど弱いのだ。
「じゃあ、ちょっとだけいただくです」
その誘いは愛理にとってすごくうれしいものである。
家族と居る時間がそこにはあるから。
「愛理ちゃん……絶対に、幸せになるんだよ?」
由夢はしっかりと言った。
「そうだよ、せっかく大切な人と一緒にいれるんだから、幸せにならなくちゃね。」
と音姫も言った。
「はい、愛理、幸せになります。……あのね、由夢姉さん、音姉さん、今まで、愛理といっぱい過ごしてくれて、ここまで育ててくれてありがとうです」
そう、明日には愛理はこの朝倉家から彼の下へと、嫁いでいくのだ
桜がかれ、10年の月日が流れようやくこの時が来たのだ。
最初のコメントを投稿しよう!